これから人事労務の世界は大きく変わります。未経験から人事労務のプロになりませんか?

このサイトで紹介されているスタッフは全員が業界未経験です。代表も未経験からのスタート。ここは未経験大歓迎の事務所です。なぜかというと、フラットな視点で仕事を見ることができ、必死に吸収できるからです。わからないことは調べれば大丈夫です。社内でも年中教え合っている環境があります、ただ、私たちは求める人材について、二つだけ条件があります。一つ目は素直であること。まずは当社のやり方を素直に吸収してほしい。ここには学べるツールも材料もチャンスも十分にあります。二つ目は志のある人。「こんなことを実現したい」「こんなことができるようになりたい」という思いがないと、当社に来る意味はありません。面接でも「こういうことをしたいんですが、できますか?」と聞いてほしい。今はできなくても、将来はやれるようになるかもしれません。未経験で「志を持て」と言っても、実際には難しいと思います。それでも、なんとなくの思いでいいのです。「何か人の役にたちたい」でも、仕事で人事に関わったとき「人のために何かをする仕事がやりたいと感じた」でもいい。そんなささいなきっかけからプロを目指す人を、私たちは大歓迎します。


代表メッセージ

この先、人事労務の世界はどうなるのか。私は大きく変わっていくと思います。労務に関する制度が変わり、各種手続きもどんどん簡略化されていくでしょう。新たなクラウドのサービスやAIのシステムも導入され、ロボットによる業務の自動化(RPA)も進んでいく。これまでの人事経験だけでは対応できなくなっていきます。企業がこのような状況に対応するためにも、私たちが率先して指導していかなければなりません。ここで若い人たちの活躍の場も広がるはずです。これからの社労士事務所にはこのような役割への期待も大きいと思います。だからこそ今、この業界は楽しいのだと思います。このタイミングで社労士の世界に入り、未経験から一緒に明るい未来をつくっていきませんか。私もスタートは未経験でした。スタッフの前職も衣料メーカー、派遣会社、物流会社、金融会社、米国での起業などさまざま。社労士は努力さえすれば誰にでもできる仕事です。そもそも、社会人経験者なら誰もが働いてきたわけですから、ここで扱うテーマに関わってきたということです。もちろん大変なこともありますが精一杯サポートします。やりたいことに向かって一緒に頑張りませんか。

代表 猶木貴彦


仕事の魅力

「シアワセ職場を創り、社会に貢献する」

代表はよく「人事は水道屋や電気屋と同じ」という話をします。人事は働く人にとってのインフラです。給与は水道の水であり、万が一のときには社会保険もある。だから安心して働ける。社労士がこのインフラ維持のサポートをすることは、企業の安定成長につながっています。今、働き方改革が注目されていますが、今回は労働基準法ができて70年ぶりの改革と言われます。初めて労働時間に対し根本的な規制を行うなど、労働に関する法律がさまざま変わるため、仕事環境も大きく変わります。その環境整備に社労士の活躍が期待されています。私たちMRパートナーズは、会社と労働者の双方に対し、社会保障や社会保険、労務に対するリテラシーを高めるお手伝いをしていくことができます。また、それだけでなく、私たちは労務によって組織成長に貢献するプロ集団であるという役割も持っています。当社の企業理念である「シアワセ職場を創り、社会に貢献する」。仕事を通じて本気でこの考えを実現できることことが、この仕事の醍醐味だと考えています。


社員紹介

「10年後、僕らは社労士でなくなっているかもしれない」
この言葉を胸に、日々企業のためにできることを模索

久嶋 卓さん(33歳 前職:派遣会社 営業)
共同経営者 営業部 社会保険労務士

ーなぜ社労士を目指そうと思ったのですか?
以前は派遣会社の営業職でしたが、派遣スタッフをお世話する中で社労士という仕事を知りました。新卒で営業になった当初、派遣スタッフから待遇や働き方などさまざまな相談を受けるのですが、経験がないのであまり答えられなかったのです。自分で調べて、次に行ったときに回答するということの繰り返し。中でも派遣スタッフから要望があっても、派遣先の職場環境を変えることは難しかった。しかし、社労士ならば相手先の会社に入っていき仕事環境を変えることができます。相手企業の相談にも乗れる。徐々に社労士になりたいと思うようになりました。しかし、資格を取ろうと勉強を始めてみると内容はなかなか難しい。ならば会社を辞めて勉強に専念しようと思い切って退社を決意。運よく1年後に合格できました。
ーどうしてMRパートナーズに入社したのですか?
社労士専門の転職サイトで探して、会社説明会に参加しました。そこで話された猶木代表の言葉に惚れ込みました。「僕らは職場がよくなるためだったら何だってやる、何でも屋さんです。ですから10年後、我々はもしかしたら社労士ではないかもしれない。もし多くのお客様が職場を掃除することが職場を改善するベストの方策ならば、僕らは清掃業者になっているかもしれません」と言われたのです。大変衝撃的でした。資格に頼らず、資格を入り口に会社に貢献する。共感できるスタンスだと思いました。他の事務所の話も聞きましたが、資格ありきで採用を考えている感じがあり、私が未経験だったこともありますが、ともすれば少し上からの目線で面接されていると感じがあった。結果、ここに入ることに決めました。入社後、MRパートナーズは2016年に法人化したのですが、そこで代表に誘われて共同経営者になっています。
ー社労士として、どのような職場づくりを目指したのですか?
派遣会社にいたころ、年間200名ほどの派遣スタッフをお世話していましたが、配属になる職場によって幸不幸が分かれる場面をよく目にしました。こちらの職場の人はまったく辞めずに、笑顔で働いている。でもこちらの職場の人はなかなか定着しない。見ていると職場の上司の、派遣スタッフに対する態度やその考え方に差がありました。私は個人的には、人がモチベーション高く働ける職場がよい職場だと思います。おそらく経営者もそのことを常に考えているはずです。働く人の環境をよくして、彼らのシアワセに貢献したい。そのために社労士として経営者のよき相談相手、頼られる存在になりたいと思いました。
ー入社して印象に残っている成功体験について教えてください
長く契約しているお客様で、「会社に来なくてもいい、提案もしなくていい」と言われた会社がありました。社員20名ほどの前任から引き継いだお客様です。担当者は2代目の社長になる予定の方でした。最初は給与計算してデータ納品するだけの関係でしたが、少しずつ機会をみて会いに行きました。郵送でもいいと言われた給与明細をわざわざ持っていったり、最近の法改正情報の資料を渡したり。そのうちだんだん話をしてくれるようになり、相談されるようになったのです。担当して2年目、「従業員をきちんと評価したいと思っているんだけど、どうしたらいいかな」と相談されたときは大変うれしかったですね。「これまで先代社長が大まかに決めてきたけれど、これからは社員にモチベーションを上げてもらわないと会社はよくならない。社員にはもっと創造的な仕事をしてほしい。そのためにどのような評価制度がいいか考えほしい」と相談されたのです。そこで、重要と思う項目ごとに比重を変えた評価制度を提案し、採用していただきました。結果、社員からは若手を中心に提案が出てくるようになったそうです。これは私が社労士として初めて手掛けた人事コンサルティングの案件となりました。
ー自分が専門家になったと感じる瞬間はありますか? それはどんな時ですか?
やはりお客様から頼ってもらえるようになったときですね。込み入った相談をしてくれて、相手の想像を超える回答ができたときは、「先生」らしくなれてきたかなと思います。自分で本当の専門家になれたと感じられたのは入社5年目くらい。これはお客様の反応から感じられます。
ー未経験からでも社労士の仕事についていけますか?
この仕事は熱意が大事です。熱意さえあれば他は問題ありません。各種手続きや給与計算、簡単な相談に乗ることなどはすぐできるようになります。作業的なことはやり方も決まっているので、1年ほどでできるようになります。ときにはミスをしたりすることもあると思いますが、そこでは謝罪することが学びにつながります。
ーこの仕事で成長が速い人とはどんな人でしょうか?
成長が速い人は、素直な人、そして前向きな人です。この仕事はお客様から学ぶことが多くあります。業界のことを教えてくれたり、間違いを指摘してくれたり。そこで素直に聞けるかは非常に大切なことです。見聞きしたことを素直に聞ける心を持っているか。仕事には受動的なインプットと能動的なインプットがありますが、ここではその両方が必要。うちでは新人でもどんどん仕事を任せるので、最初は受動的なインプットが多いと思います。そのうち能動的なインプットも自らやってほしい。自分の中に「こうなりたい」という理想や思いがあればできるはずです。
ー未経験からの人材育成ではどのようなことを重視されていますか?
1から10まですべて仕事を教えずに、できるだけ本人に考えてもらうようにしています。「これは何のために行う作業なのか」と目的を意識しながら仕事をしてもらいます。完了した仕事をチェックして、その中に能動的に動いた跡が見えるようになると「わかってきたな」と感じますね。

人事で社労士して活躍する先輩の姿に憧れ
知識を武器に、長く取り組める仕事がしたい

渡邊 めぐみさん(27歳 前職:物流会社・人事ほか)
業務推進部 業務課

ーなぜ社労士を目指したのですか?
専門性を身に付けて人の役に立ちたいと考えたことがきっかけです。以前は物流を担う企業に勤めていました。入社時からジョブローテーションがあり、1年目は営業所で荷物の処理。2年目は人事総務でタイムカードのチェックなどを担当。3年目は若手を海外に派遣する制度があり、応募して半年間、上海で勤務しました。帰国後は海外事業部に所属しましたが、自分が思い描く仕事とは違っていました。そこでもう少し腰を落ち着けて、専門性を身に付けて人の役に立ちたいと考えるようになり、できる仕事はないかと考えたのです。そこで浮かんだのが、人事時代にお世話になった社労士資格を持つお母さん社員でした。専門性を持ち、人に頼られて活躍される姿から、社労士という仕事を知りました。特に労災などが起きたときは、この方しか対応できなかったのです。自分でも、人事にいたときは社員が結婚したり、子どもが生まれたり、人生の節目でお手伝いできる仕事とよい印象を持っていました。その先輩をロールモデルと思い、私も専門知識を身に付けたいと社労士事務所への転職を決めたのです。
ーMRパートナーズに決めた理由は何ですか?
MRパートナーズを知ったのは一般の転職サイトでした。検索しても専門のサイトではないので社労士事務所はあまりヒットしなかったのですが、ここに応募したのは1年間の人事経験しかない自分でも、しっかり勉強ができるかと感じたからです。私は人の役に立ちたいと思っていましたが、この事務所の理念には「シアワセ職場を創り、社会に貢献する」とあり、この考えに大いに共感しました。そして説明には「自主的に勉強会を開いている」とあり、自分が学べるだけの、ある程度の規模もあると感じました。働いている人たちも自分と年齢が近く、面接で代表や他の方にあっても丁寧に話を聞いてもらえ、いい雰囲気だと思い、入社を決めました。
ー未経験からのチャレンジで不安なことはありましたか?
未経験からの入社で不安はありましたが、ここは勉強時間の確保にも理解があり、勉強会も開いてくれるなど、学ぶための社風や環境が他社よりもあると感じています。事務所によっては勤務ルールが厳しかったりしますが、ここは変形労働のような形で柔軟に対応してもらえ、望む働き方が実践できる自由さがあります。例えば忙しいときにたくさん働いたら、暇な時期には半日休むなど融通が効かせてもらえます。前にいた会社では平日はほぼ休めなかったので、その点は大きく変わりました。入社後の仕事では年次に関わらず大きな仕事も任せてもらえるので、成長スピードは速いと感じています。入社当初は給与計算から入退社の手続き、育児休業の手当とか、助成金など、何もわからなくて「どうするか」と聞くことばかり。例えば、細かい給付金の手配や育児休業の扱いなどは結構大変なのです。子どもがいつ生まれて、今はこれが必要、これはここから申請開始など、スケジュール感というものが当初はなかなかつかめませんでした。人に聞いても理解しきれず、自分のものになるまでに2、3ヵ月かかりました。また、給与計算についても日割りの計算などは会社によって規定が違い、会社ごとに特徴を理解しないと対処できません。手当の種類や数も違いますし、社内に夜勤があれば運用方法も違います。このように日々勉強ですが、知識が付く実感があり、楽しく仕事ができています。
ー入社してみて、実際の事務所の雰囲気はどうでしたか。
非常に皆仲がいいと思います。月1回定期的な飲みの場を設けていますが、それだけでなく、「年末調整が終わったら飲みに行こう」など、何かにかこつけて飲み会を開いています。特に6月から8月くらいは忙しかったのですが、それが終わるとほぼ全員が集まって仕事の打ち上げの場をつくりました。仕事についても知っていることを教え合って、オープンに何でも聞ける雰囲気があり、組織としての一体感が感じられています。
ー自分が専門家になったと感じる瞬間はありますか? それはどんなときですか?
この仕事をしてみると「知らないことがこんなにあったのか」と気付かされます。細かなことでいえば、派遣の人には交通費が含まれるとか、保険料がどのように決まっているなどです。でも知識を付けること、そしてお客様に頼られることには大きな喜びがあります。勉強は大変なところもありますが、誰もがこういう時間を経て、一人前になられたと思うので、もっといろいろな経験を積みたいですね。前の会社はジョブローテーションをしており、常に1年目という感覚でしたが、ここに入ってからは専門性を得ているという感覚が持てるようになりました。この仕事はさまざまケースを学ばないといけない仕事であり、イレギュラーなことも知らないといけません。法律でも解釈はいろいろとあります。解決の例を複数知れば理解の幅も広がります。知識と経験、ケース、場数が大事です。いかに従業員の立場に立つかと意識しつつ、その考え方に自信を付けていきたいと思っています。資格を取れば、答えられる領域も増えるはずです。ちなみに自分が専門家に近づいているなと思うのは、親から住民税や保険料について聞かれたりしたときです。身近ですが頼られる嬉しさを感じます。
ー女性の視点から見たこの仕事の良さはありますか?
実は今回の転職は結婚のタイミングも関係しています。前の会社は将来的な出産や育児があっても通い続けられるかと考えました。「異動も可能」という言葉ももらったのですが、その異動した先でもやりたい仕事に就けるかどうかは保証されません。育児が始まれば、働き方で「時短か、キャリアか」というような極端な選択を迫られるような感じもありました。そのような会社人生は難しいなと思ったのです。ある程度自分のペースで働けて、融通も効き、と考えたときに、MRパートナーズが最適ではないかと思えました。ここなら何かライフイベントがあっても、手に職を得られて、知識を武器に長く仕事として取り組めると考えました。
ー企業人事と社労士事務所の仕事では、どのような点に違いがありますか?
大企業の人事では外部業者もたくさん使いますし、限られた分野しか担当できないことが多いです。でもここでの仕事は、最初から終わりまで、ゼロから入ってきた情報から形にするところまでをお世話します。やはり、自分自身の手でお世話しているという手触り感が違うように感じます。相談に来られた会社に対して、その担当者に対して、お手伝いができたという実感が大いに得られる仕事だと思います。
ー社労士という仕事はどんな人に向いていると思いますか?
人事に興味のある人ならば、社労士事務所では学びたいことは何でもできると思います。仕事も単純な書類作業ばかりでなく、コンサルティングに近い内容のものもあります。お客様からの直接の相談も多く、窓口となって仕事をしているとその中で気付かされること、教えられることがたくさんある。例えば「今度初めて育休に入る方がいるが、いつ何をすればいいかわからない」と電話やメールで相談がきて、そんな単純な内容でもお答えするとすごく感謝されたりするのです。責任も伴いますが、その分やりがいも大きい仕事だと感じています。

「より人に近く、時代が求める資格」と社労士を取得
「この事務所なら顧客の立場で相談にのれる」と入社を決意

北村 卓矢さん 営業部
(31歳 前職:信用金庫・営業)

ーなぜ社労士を目指そうと思ったのですか?
大学を出て信用金庫に入社し、8年間勤務しました。6年は営業、残りは融資課での審査です。仕事がら顧客の決算書を読むことが多く、そこにはお金に換算できるものがさまざま記載されています。企業の経営資源は「ヒト、モノ、カネ」であり、ヒトが大事と言われますが、その割には決算書にはヒトがらみでは人件費くらいしか書かれていない。ヒトというのは単純に人件費だけでは測れないものであり、もっといろいろな視点から捉えてみたいと思うようになりました。これからはより人に近く、人そのものを扱える資格が重要になるのではないかと探すうちに社労士を見つけ、勉強することにしたのです。仕事をしながら3度受検して、2017年に合格することができました。
ー社労士について学んで、どこに仕事としての魅力を感じましたか?
学んでみると自分は会社勤めの身なのに内容は知らないことだらけでした。労働時間、休暇、給与計算、社会保険などがわかってくると、給与明細を見るのもおもしろくなってきました。資格に受かってみると、この勉強した内容でお客さんの相談にのり、問題を解決してあげたいと思うようになったのです。金融機関にいるとお金のことは詳しくなりますが、労務のことはなかなか知る機会がありません。また、お客さんに社労士の方がいらしたのですが、その方はお金のことをあまりご存じではありませんでした。私は会社を運営するうえで、あれほど密接に関わる「ヒトとカネ」が、実社会では意外とつながっていないのではと思ったのです。そこを合わせて考えることで、もっと会社をよくしていけるのではないかと考え、社労士事務所への転職を決めました。
ー転職先にMRパートナーズを選んだ理由は何ですか?
転職サイトで社労士事務所を探しました。条件は顧客の相談相手になれるような仕事ができるかということです。サイトをみていると「事務担当者を探しています」ではちょっと違うし、「顧客先に常駐してもらいます」でも違う。事務所によっては助成金などの手続きの仕事が多かったり、何かに特化しているような事務所もよくあります。そのような中、「シアワセ職場を創り、社会に貢献します」「お客様の立場に立った、本物の社労士事務所であり続けます」と書かれたMRパートナーズの求人を見つけました。まさに私が考えていた仕事ができるのではと思い、連絡し訪問したのです。そこで猶木代表からは「お金を稼ぐことばかりを考えるのではなく、また、役所の言いなりで仕事をするのではなく、お客様の立場に立って課題を解決してあげてほしい」「前の仕事の経験を活かして、客先に積極的に足を運んでほしい」と言われ、大いに共感して入社を決めました。
ー実際に仕事をして感じたギャップ、難しさなどはありましたか?
まだ入社して間がありませんが、30社弱の企業を担当させていただいています。現実にいろいろな会社の相談相手になれており、入社前にしたかった仕事ができていると感じます。ただ実際に仕事をして難しいと感じるのは相談直後のアドバイスです。例えば、現場では残業に入れる賃金と入れない賃金をどう分けるか、有給休暇の取得基準はどうかなど、さまざまな相談があります。「こんな社員がいて困る」といった試験には出ないような相談もあります。資格に受かっただけでは、答えようとしてもなかなかパッとよいアドバイスは出てきません。もっと事例を学んで、自分の中にノウハウを蓄積していきたいと思います。また、意外に思えたのは手作業の多さでした。税理士や司法書士などはすでに電子申請が中心となっていますが、社労士の仕事の周辺はまだ手作業が多い。この点への対応も必要だと感じました。
ー自分が専門家になったと感じる瞬間はありますか? それはどんな時ですか?
客先に足を運ぶうちに、アポなしで入れてもらえたり、より近い場所で話せたりと関係が近くなっていることを感じています。行くと経営者や担当者の方は、社内で話せないような人事周りについて相談されたりして、どこも悩みがあるのだと気付かされるのです。金融機関にいたころには出なかった話も聞けて、密度の濃い経験をさせてもらっています。会社の悩みを聞いて、それを解決する点は以前経験した営業とも共通する部分もあり、まずはいつでも近くで悩みを聞ける存在になりたいと思います。また、今は働き方改革の真っ最中であり、日々、人の扱いについて会社側の意識が変わるのを感じています。自分の将来のことはまだわかりませんが、もし自分が独立してイチから仕事をすると考えると、今30社弱も担当させてもらい、そこでいろいろな話が聞けていることは大変貴重な経験なのだと思っています。
ーMRパートナーズに入社してよかったと思うことはありますか?
社員が日々学び、その学びを共有しており、お客様の側に立って悩みを解決することがやりやすい事務所だと感じています。私たちは日々、新しい事例を知らないといけないし、新しい法律知識も補充しなければなりません。新たな手続きについては役所の手引きなどを参考に朝から勉強会を開いたり、先進的な企業事例などは社内で情報共有しています。わからないことがあれば社内で教え合い、さまざま資料もつくっています。そのうえで自分でもネットや解説書、専門誌などを読みながら、よりよいやり方はないかと調べるのです。特に今は働き方改革関連法が施行に向かう段階であり、実際に企業でどのように運用するかが問題となっています。業種によって抱える問題も違いますから、業種ごとの事例を知らないとなかなか相談にものれません。企業の新たな悩みを先取りし、その解決に努力することで顧客との信頼を深めたいと思います。
ー入社したときよりもステップアップしたと感じるときは? また、今後の目標は?
今は事務作業一つを行うにしてもどのようにやったらいいのかと調べながら行っており、勉強の毎日です。試験で勉強しただけでは実際の役所での手続きはなかなかうまくいきません。そこには必要なノウハウがさまざまあり、その要領は徐々にわかってきたように思います。これからは顧客との関係をより深めること、そして自身の仕事の経験値をもっと増やしたいと思います。今はお客様の問い合わせについて上司に相談することもよくありますが、今後は問い合わせが来てもその場で、自分で回答できるようになりたい。そのために自分の中にしっかりとした根拠となる知識を持ちたいと思います。
ー社労士という仕事は、どんな人が向いていると思いますか?
社労士が扱う仕事の範囲は大変広く、個人としての目標も多彩に立てられる仕事だと思います。その意味では「1年後にこうなりたい」と、具体的に目標を持ったほうが成長しやすいのかもしれません。ただし、この仕事は着実さも求められ、間違いをしないことが前提の仕事であり、最低限の慎重さは求められます。そして、お客様からの問い合わせに対し、よい回答ができれば直接「ありがとう」と言ってもらえる仕事でもあります。実は私の祖父は社労士をしていたのですが、祖父が亡くなったあとでも当時の顧客から「労災申請を手伝ってもらい、大変ありがたかった」などと声をかけられたことがありました。そのとき「感謝される仕事っていいな」と思えたことも、この仕事を選ぶ後押しとなっています。こういった部分にやりがいを感じられる人ならば、いい仕事ができるのではないかと思います。

営業のころは「知識よりもエネルギー」
でも社労士は「知識で相手に満足してもらう仕事」

吉田 彩織さん 業務推進部 業務課
(27歳、前職:衣料メーカー・営業)

ーなぜ社労士を目指そうと思ったのですか?
自分の中に何か専門分野を持ちたいと思ったことがきっかけでした。以前は衣料メーカーに勤務していました。営業として担当店舗を持ち、百貨店などの販売員と協力して販促し、売上をあげることが仕事です。4年在籍し仕事は楽しかったのですが、より専門性を持って働くことに興味を持つようになりました。何か自分の中に軸を持って、仕事周辺の環境などに左右されず、自分の中に知識を蓄え、それを使って働きたい。両親も法律関係、教師と専門性のある仕事をしており、自分も専門性がほしいと思い、調べるなかで人に関わる社労士に興味を持ちました。これまでも販売員の皆さんやその先の一般のお客様と仕事で関わってきましたが、そういった方々の仕事や生活の環境づくりでも力になれるところに興味を持ちました。
ーMRパートナーズに決めた理由は何ですか?
私は環境をまるごと変えないと勉強に打ち込めないと思ったので、資格取得より先に転職しようと思いました。MRパートナーズは転職サイトで知ったのですが、そこで見たホームページに書かれた言葉にひかれました。「シアワセ職場を創る」「チームプレイを重視し、みんなで協力しながら、お客様に喜んでもらう」「仲間とのコミュニケ―ションを大切に、互いに切磋琢磨して成長できる」「専門知識だけでなく、経営全般に関わることで人としての考え方まで学べる」など。未経験で入ると簡単な作業が多いのかと思っていたのですが、面接では「自分なりに考えて動くことができる仕事だ」とうかがって、より興味を持ちました。
ー面接時に決め手になった言葉などはありましたか?
猶木代表からは「単なる歯車ではなく、自分で考えてどんどん仕事を広げてほしい」「自分で思ったことはどんどんやってほしい」と言われました。実際に入ってみても、自分がこうしたい、このようにやりたいと思うことは、いつでも相談できる雰囲気があります。ここなら自分なりの専門性を身に付けられると思いました。
ー未経験からのチャレンジで不安なことはありましたか?
未経験だからと仕事が限定されるのではなく、最初から何でもやらせてもらっています。思ったよりもやることの幅は広いと感じました。責任も伴いますが、「そこまでやらせてもらえるんだ」という実感があります。私は業務課ですが、実際のお客様との関わりが大切だと日々感じます。自分からお客様に積極的に関わり、関係性を深めていけるところも仕事の幅の広さの一因ではないでしょうか。先方から直接問い合わせを受けることも多いですし、なかには会社までうかがってその場でパソコンを触ることもあります。それほどお客様との間柄も近いということです。猶木代表からは「皆で意見を出し合って、仕事のやり方などももっと提案してやるといい」と言われます。特に代表は時節に多い業務ごとに勉強会を開いてくれていて、大いに助かっています。
ー実際に働いてみて、事務所の雰囲気などで感じたことはありますか?
社労士事務所のオフィス環境はさまざまありますが、ここには魚の泳ぐ水槽があったり、緑がたくさんあって、落ち着いた雰囲気で働きやすいと感じています。人数の規模も先輩や同僚、パートの人もいて何でもいろいろ聞けるし、雰囲気も明るいので初心者の方でも入りやすい環境だと思います。同時期に入社した人も多くて、皆で一緒に頑張れるといった雰囲気がここにはあります。
ー社労士という仕事には、どのような利点、良さがあると思いますか?
社労士の仕事は専門性があり、手に職を付けられます。ここで頑張っていけば、自分の将来の糧になりますし、それが自分への自信につながっていくなという感覚が持てています。そもそも会社をサポートする仕事ですから、全国どこでも仕事はあります。もし引っ越しして生活環境が変わっても、行った先で働けるし、ここで学んだこと、身に付けたことは一生使えます。もし出産や育児、介護など家族に何らかの変化があって、そこに寄り添いたいと思った時でも、手に職があれば自分のペースで働くことができるのではないかと思います。
ー自分が専門家になったと感じる瞬間はありますか? それはどんなときですか?
最初はまったく内容がわからず、お客様からも「何を聞かれるんだろう」と大変不安でした。しかし、今は徐々にわかる内容も増えてきて、自分で調べられることであればすぐ調べて答えています。先輩にアドバイスをもらって、お客様に説明して納得していただけたときには、一つ学べた、一歩前に進んだという実感があります。前の仕事は営業として販促を考える仕事だったので、その根底には知識というよりは自分がどう動くかとか、自分がどう解決するかといったエネルギーが原動力となっていました。しかし今は、お客様は専門知識を頼りに依頼されますので、社労士事務所の一員として働くには、その道のプロに値するようなコミュニケーションを心掛けないといけないと感じています。この部分はすごく難しいですし、事実、変なことは言えないとも思います。でもそこでお客様が満足していただけるような答えができないと、自分も胸を張ることができない。実際に働いてみて、やはり以前よりも知識を武器にしているなと感じますし、そこにやりがいを感じています。
ー社労士の仕事の面白さを感じた出来事などがあれば教えてください
ある会社の人事評価の会議に出させていただいたのですが、その中では込み入った個人の事例や、「今の規則ではうまくいかないね」などと正直な声が聞けて、いろいろな発見がありました。上司がどう部下をみているのか、そこにどんな問題があると認識しているか、部長と課長では認識が違っていないかなど、従業員と会社にはさまざまな問題があるという事実を知ることができたと思います。そのような人に関わる分野だからこそ、その中に深い専門性があり、お客様に対してもいろいろな角度から関わることができるのだなと思います。猶木代表あてに「ぜひ考えを聞きたい」といったメールや電話もよくあるのですが、このようにお客様に頼りにされるということはやはりすごいことだと感じます。
ー転職したことで自分が変わったなと思われることはありますか?
最初は、お客様に問い合わせいただいた内容もまったくわからなかったのですが、少しずつ用語がわかるようになり、少しずつ答えられるようになり、そして相手が理解してくださるようになって、この仕事の面白さを感じています。自分の中に知識を貯めていくことで、その回答にお客様が納得していただく、といった反応があることはすごく楽しいし、面白いことだと思います。また、未経験で入ったからこそ気付き、指摘できる部分もあるので、代表からも「気づいたことがあれば、どんどん言ってくれ」と言われています。そのような気付きもどんどん発言したいと思います。個人的には社労士の通信教育を始めたところで、まさにこれからが学びの本番という段階になっています。その日その日を頑張って、速く一人前になりたいと思います。

米国での企業経営から社労士へ
資格を取って地元企業に「恩返しがしたい」

谷津 和彦さん 業務推進部 推進課
(57歳 前職:米国での飲食店経営など)

ー入社までの経歴を教えてください
以前は米国で23年間、飲食店を経営していました。大学卒業後に国内の飲料メーカーに入社し、駐在員として香港、シンガポール、米国に赴任。米国に行って2年ほどしたころ、帰国の辞令が出たのですが、現地で日本食の飲食店をやってみたいと考え、思い切って独立しました。店では自ら寿司を握り、寿司職人の学校もつくりました。日本に戻ったのは3年前。突然の帰国となった理由は両親の介護と看病でした。最初に母親、次に父親と続けて病気になり、この3年ほど世話をしていました。ただ介護、看病とは言っても付きっ切りではなかったので、このまま仕事をしないのも不安と思い、専門学校で中小企業診断士の勉強を始めたのです。今は試験の結果待ちです。MRパートナーズを知ったのは通信教育の講師の紹介で、社労士にも興味を持っていました。
ーなぜ社労士に興味を持たれたのですか?
これらの資格に興味を持ったのは地元への恩返しのためです。私は八王子生まれの八王子育ちで、3年間の介護でも地元の皆さんにはよくしてもらいました。23年間も地元を離れていたのに、皆さん私を覚えていてくれて、本当にありがたいと思いました。両親も亡くなったのは年齢が80代と90代でしたから、高齢になってから周囲の人にもお世話になっていました。そういったありがたさを帰国してつくづく感じ、何か恩返しをしたいと思うようになりました。
ー転職先にMRパートナーズを選んだ理由は何ですか?
八王子は産業が変わったこともあって、以前と比べて活気がなくなった印象がありました。地元の企業皆さんに話を聞くと、今は事業継承や労務管理で悩みがある。そこで何か貢献できる資格はないかと考えて浮かんだのが中小企業診断士と社労士でした。特に中小企業の悩みでは人事労務がもっとも多いと聞きます。私も米国で経営者として労務に関わっていましたから、これまでも関わりのない世界ではありませんでした。そこでMRパートナーズに応募し、初めて猶木代表と面接したのですが、面接後に課題を与えられました。厚生労働省が2016年に発表した「働き方の未来2035 ~一人ひとりが輝くために~」という報告書を読み、レポートを書いてほしいというものです。これは未来の2035年を想定し、少子高齢化や技術革新といった社会変化の中で、今後目指される多様な働き方の展望や、その実現に向けた施策について書かれたレポートです。私は読んで愕然としました。労働力人口の減少、少子高齢化、地方の過疎化など書かれていた内容は遠い先のことではなく、目前の課題です。私は衝撃を受け、何かやらなくてはいけないという思いを強くしました。また、MRパートナーズの理念である「シアワセ職場を創り、社会に貢献する」という言葉は、まさに私の地元への思いと同じで、その点に大いに共感し、入社を決意しました。
ー会社の運営などで、米国との違いを感じたことはありますか?
米国企業の就業規則は日本よりも大変分厚くなっています。なぜなら内容が企業寄りでリスクヘッジ型の中身になっていて、リスクごとに記載があるためです。入社する人はこれらすべてサインするので作業も大変なのです。日本企業の場合はどちらかといえば従業員寄りであり、内容も寛容だと思います。しかし、日本企業もここ最近は従業員からの訴訟も増え、残業問題なども厳しくチェックされつつあり、徐々に内容がリスクヘッジ型に変わってきたように思います。その点で社労士はどちらに軸足を置くかが難しい仕事だと思いますが、あまり従業員寄りになっても会社寄りになってもいけない。従業員たちが米国のユニオンのようになってしまうと、それこそ会社を潰すことにもなりかねません。もっと賢くやらないといけないのだろうと思います。猶木代表は「法律は万能ではない」とよく言います。何でも「役所が言うから」ではなく、クライアントの立場に立って「法律がなぜつくられたか」と考え、それに則った利用をしないといけません。この考え方には私も大いに共感しています。
ー実際に社労士の仕事や業界を経験されて感じたことはありましたか?
社労士に限りませんが、士業全般が専門化しているなと感じています。社労士事務所でも助成金だけ、ある手続きだけと偏った業務ばかり行うところもあります。ここに新規でここに相談に来られるお客様からも、「前のところは助成金しかやらないと言われた」とか、その逆で「うちでは助成金は扱いません」と言われたこともありました。「何かに強い」ということも大事なのかもしれませんが、逆で「会社全体をトータルにみてあげられます」という事務所もなくてはならないと思います。私が米国で会社を経営していたときは、士業も専門化しているので弁護士5人とコンタクトを取っていました。会社は生き物ですから、もっとトータルにみてあげるべきだと思います。お客様にとってどんな方策がいいのか、と全体から考える必要があるのではないでしょうか。私は今、中小企業診断士の勉強をしていますが、今後は間違いなく事業承継の簡易な手続きが求められると思います。日本企業の99.7%は中小企業であり、事業承継の問題を抱える企業も中小企業が中心です。もっと簡単に手続きできるサービスが求められると思います。こういった考え方は社労士の世界にもあってよいのかもしれません。現場の社労士がイニシアティブを取って提案するようなことがあっていいのではないか。それが士業の本来の姿ではないかと思います。
ー仕事をする中で自分が成長したと感じたターニングポイントはありましたか?
最初任された業務は助成金申請でしたが、役所にもきちんと意見し納得してもらえたときは自分も成長したなと思えました。最初は役所に行くだけで緊張していましたが、半年ほど経ったころに、「助成金はこれを目的につくられましたので、こういった申請は可能ではないですか」と相手を説得できたときは充実感がありました。もちろん普段は役所の方からもありがたい指摘をたくさんいただいています。
ー社労士という仕事はどんな人に向いていると思いますか?
私も含めてですが、MRパートナーズには多くの業界未経験者が入社しています。正直、素人集団ともいえるのですが、皆ここに入って勉強し一人前になったのです。事務所には代表が集めてくれた専門書もたくさんありますから、オフィスでも多くのことを勉強できます。そして実務面では人事労務の世界は人の問題ですから、ベースは人が好き、または人に興味がある人のほうがよいと思います。興味さえあればあとはいくらでも学んでいけるのではないでしょうか。
ー最後に、地元の八王子への貢献で考えていることがあれば教えてください
地域の子どもを支える市民活動の一つに、朝ごはんや晩ごはんを当たり前に食べられない子どもらに食事を提供する「子ども食堂」があります。八王子でもすでに行われていますが、私も以前は外食産業にいましたので、自分のアイデアを盛り込んだ食の提供がしたいと思っています。他にもやりたいことはいろいろありますが、仕事を通じて人のネットワークをつくりながら、一つひとつできることをやっていきたいと思っています。

新卒で入社し、2年目から人事を担当
この仕事は人の気持ちを察する人ほど成長も速い

小林 茜さん 経営管理部
(27歳 新卒入社)

ーどうして就活で社労士事務所に興味を持ったのですか?
就活では、人事の仕事、人に関わる仕事を探したいと思っていました。興味を持った理由は、人間観察が好き、人の話を聞いてその人の考えを察することが好きだったからです。大学・大学院では写真史の研究をしていましたが、その中でも大衆の思考に関わる研究もしていました。求人は就活サイトで人に関わるような仕事を探し、その中にMRパートナーズがあったのです。
ーなぜMRパートナーズを受けようと思ったのですか?
会社紹介の「人事労務の専門家です」という言葉に魅かれました。それまで考えたこともありませんでしたが、世の中にこれだけ企業があれば、人事労務のお世話をする仕事も確かに必要だなとすんなり納得できたのです。採用説明会で初めて猶木代表に会いましたが、会場ではギラギラした感じの社長さんが多い中で、猶木さんは自分からも遠くない、柔らかな印象を受けました。この事務所の理念に「シアワセ職場を創り、社会に貢献する」とありますが、そのことを本気で考えている人という気がしました。それでお世話になろうと思ったのです。
ー現在はどのような仕事を担当していますか?
私が配属された経営管理部はバックオフィスで、主に総務人事業務を担当しています。当初の仕事は、社内の伝票整理、保管書類の保管期限のチェック、情報セキュリティの取り組みでした。人事を担当したのは入社2年目から。入社2年目には部門のリーダーとなり、採用窓口の担当、情報システムの責任者、社内のシステム周りの環境構築、三菱の社会保険労務システム「ARDIO」の環境整備も担当しています。
ー希望していた人事業務を担当してみて、どんなことを感じましたか?
社労士資格は1968年に「社会保険労務士法」が制定されてできたもので、実はまだ50年ほどの歴史しかありません。その意味では社労士という仕事はまだ発展途上であり、どんな志の人がこの仕事に就くのか、どんな人がこの先この業界を担うのか、といったことに人事として関われることは大変興味深いと感じています。そして、応募者の皆さんからは、いろんな人生についてのお話を聞けることが勉強になっています。採用は会社にとっても、入社されるご本人にとっても実に大きな出来事であり、大変責任のある仕事です。ここは小さな事務所ですから、入社される方と既存の社員との橋渡し役となって、早く慣れてもらえるように支援したいと思っています。
ー人を採用するときには、どのような点を重視していますか?
中途の皆さんは働いた経験をもとに社労士を志していらっしゃるので、未経験とはいえゼロベースの考えの方はあまりいないと思います。皆さん何がしか業務に活かせる経験をお持ちの人ばかりです。大事になるのは、その人が本当にやりたいことと、当社でできることがきちんと重ね合わせられているかどうか。明確にやりたいことがあり、それができるからと入社されるのと、やりたいことが不明確なままに入るのでは、結果はまったく違ってきます。例えば、働くということに対して何らか自分の中で問題意識を持っているとか、人に関わる問題をどうかしたいとか、誰かを助けたいなど、何らかのポテンシャルがあるほうが活躍できると思います。そして、社労士の仕事に興味がある人は、新卒を含めて人のことが好きという人が多いという印象があります。困っている人を助ける、社会貢献する、誰かのために何かをしてあげるという意味では、この仕事もサービス業の一つに違いありません。応募者には当社の理念は「シアワセ職場を創り、社会に貢献する」であり、「そのために社労士という資格と、人事労務という手段を選択している」とよく話をします。ただし、同じ人の役に立ちたいという目的でも、人にはいろいろなポジションがありますから、その点では適性を見たいと思っています。
ー業界未経験の方も多く活躍されていますが、仕事に不安を持つ未経験者にどのような言葉を掛けていますか?
ある程度の勉強は必要になりますが、給与計算や手続きなどの事務処理の仕事は基本的に答えのある仕事なので、誰でも勉強すればできるようになります。それよりも、中途の場合は他の会社で働いたことがあるといった経験そのものが、うちにとっては大きな財産になるという話をしています。前の会社で何をしたか、そこで何を感じたかという経験そのものが、ある種の社労士としての糧になると思っています。
ー成長スピードが速い人もいると思いますが、そのような人に何か共通点はありますか?
人の気持ちを察する能力が高い人は成長も速いと感じます。人に関わる問題は物事が複雑化した状態となっている場合が多いのですが、なぜそうなったのか、当事者はどうしたいのか、何を解決したいと思っているかなどの点を察知できる能力があると、問題解決も速くなります。また、人の働き方について本気で考えたい人にとっては、活躍がしやすい時代になったとも思います。今は働き方改革も本格化し、一人ひとりが一生をどのように働いていくかについて本気で考えないといけない時代です。そのような根本的な課題について、本気で取り組みたいという人がいれば、大きく成長できるのではないかと思います。
ー社労士事務所という仕事の特徴はどのような点にあると思われますか?
社労士事務所はお客様に展開するサービスについても、自社内で一度テストしてみることができます。トライ&エラーでいろいろなことを試して、結果がダメでも「この部分が難しかった」と分かれば、挑戦もムダになりません。顧客にサービスを紹介するときでも何らかのアドバイスができます。どんなことを試してもナレッジになる、誰かの役に立つ情報が取れるという点は、この業界の特徴の一つだと思います。また、当社もこれから他の企業と同様に働き方改革に取り組まなければなりません。でもどうせ取り組むのであれば、働き方改革の最前線の事務所になれたらいいと思います。実は現場のスタッフがお客様に対して提案している内容を、私がヒアリングするだけでも自社改革のヒントになることが多いと感じています。そのような点も社労士事務所のメリットの一つでしょう。この先、事務処理などをロボットやAIが行うようになれば、人はもっと高度な課題に踏み込めるようになります。社労士という仕事もこの先どんどん変わっていくのではないかと期待しています。